(ブルームバーグ): 米財務省は中国や他の国により安全保障が脅かされるリスクに対処するため、軍事基地周辺の外国投資への監視を強化する方針だ。

  イエレン財務長官は8日の声明でこの強化策について、外国による米国の企業・不動産の購入を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)の管轄範囲を「大幅に拡大する」ものだと説明した。

  財務長官が議長を務めるCFIUSは監視やスパイ行為の恐れを理由に、外国による重要軍事施設周辺の不動産購入を審査し、阻止し、制限する権限を有する。

  内部情報を理由に財務省高官が匿名で明らかにしたところでは、今回の措置により、30の州にある50余りの基地が新たに監視対象地域リストに追加され、掲載された基地の総数は227となる。

  この財務省高官によると、CFIUSによる不動産取引審査は特定の国を念頭に置いたものではなく、脅威や脆弱(ぜいじゃく)性、国家安全保障上の影響が考慮される。ただ2023年の財務省報告書によると、20-22年にCFIUSが審査した取引の大半は中国によるものだった。

  バイデン大統領は約2カ月前、大陸間弾道ミサイルを保有するワイオミング州の空軍基地近くの土地を購入した中国企業に対し、この土地から立ち退き、購入区画を売却するよう命じる異例の措置を講じていた。

原題:US to Expand Scrutiny of Foreign Investments Near Military Bases(抜粋)

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