人手不足や美容資材、光熱費の高騰などで美容室の倒産が相次いでいます。こうした状況のなか、常識にとらわれない新たなタイプの美容室が登場しました。
■店を閉めなければいけない理由は…?
「ann美容室」 この記事の写真神奈川県川崎市にある「ann美容室」は、およそ半世紀にわたって地元で愛されてきましたが、今月閉店することになりました。
5年通う常連客「寂しいですよね」 25年通う常連客
「正直、誰か継いでほしい」
惜しまれつつも、店を閉めなければいけない理由は…。
「ann美容室」オーナー 吉田正子さん(81) 「ann美容室」オーナー 吉田正子さん(81)「自分が高齢化したのと、お客様も高齢でなかなかご来店いただけなくなった。採算的に、だんだん。料金改定もガス、電気、水道とそういうのが(値)上がってるけど、すぐ料金に反映はできません。ここが潮時と思いましたね。寂しい気持ちと、お客様がプレゼントをくださるから申し訳ないような気持ちでいっぱいですね」 美容室の倒産(1〜4月)の推移
近年、美容室の経営環境は厳しさを増しています。今年4月までの倒産件数は46件。このペースが続くと、10年で最多となるおそれがあります。
主な倒産の原因東京商工リサーチによりますと、円安に伴う美容資材の価格上昇や人手不足、光熱費の高騰などが原因だということです。
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■ハサミを持たない店も登場■ハサミを持たない店も登場
「uruu六本木店」こうしたなか、新たなタイプの店も…。先月、東京・六本木にオープンしたばかりの美容室「uruu六本木店」。美容師の商売道具、ハサミがどこにも見当たりません。
運営会社「リクレ」 狩生志保社長 運営会社「リクレ」 狩生志保社長「『カット』『パーマ』『カラー』という、美容室ではメインになるメニューがありません。コストにしてもメニューにしても、引き算のビジネスモデル」 シャンプーは20種類を用意、洗い方も3種類から選べる
この店ではメニューをシャンプーとブロー、ヘアセットに絞る一方で、シャンプーは20種類を用意、洗い方も3種類から選べます。
利用客「髪の毛を自分で洗うのがメッチャ嫌い。毎日の変化に合わせてシャンプーも変えられて。暑い日はスースーするシャンプーにしてもらったり、冬場は乾燥しないようなシャンプーにしてもらったり。毎日選べます」
働く美容師にとっても、メリットがあるといいます。
働く美容師にとってもメリットが uruu六本木店 磯貝朋美店長「今まで美容室で働いていてカラー剤が合わなかった、パーマ剤が合わなくて手荒れがひどくなってシャンプーやヘアセットの仕事がしたいという人が結構いる」
このハサミを持たない美容室、今後都内を中心に店舗展開していくということです。
(「グッド!モーニング」2024年7月9日放送分より)
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