7月3日から流通している新しい紙幣。この新しい紙幣を早く手にしたいと県内でも多くの人が金融機関を訪れていた。紙幣のデザイン変更は20年ぶりで、イベントのように楽しみにしていた人も多く、新紙幣を手にした人々は「きれい」「感無量」と喜びの声を上げた。
新紙幣を手にして“感無量”
山形市の山形銀行本店営業部。県内では最も早く、3日午前10時から新しい紙幣に交換できるということで、多くの人が待っていた。紙幣のデザインが変わるのは、2004年以来、20年ぶり。1つのイベントのように楽しみにしていた人も多いようだ。
この記事の画像(9枚)山形県内から来た人たちは「新札に興味があるので、早く行ったほうがもらえると思って来た」「子どもが小学校でユニバーサルデザインを勉強していて、早く見せたいと思って来た」と話していた。
午前10時、新しい紙幣の両替と払い出しが始まった。新しい紙幣を手にした人たちからは「きれい、ピカピカ。指紋が付くのがもったいない」「待っていたので感無量、うれしい」「スピードが一番。最初におつりで新券をもらったら、みんな感動する。前回もそうだった」など笑顔で話していた。
おつりが新紙幣で客もビックリ
新しい紙幣を手にしても、「すぐに使う」という人が少ない中、「お客さまへの釣り銭対応で両替に来た」と話す美容室homeを経営する奥田ヨシノリさんは「残っている紙幣も、もちろん使いつつ新紙幣が何か会話の話題になればいいなと」すでに使い道を決めていた。
早速、3日の営業から新しい紙幣がおつりとして使われた。
奥田さんが「こちら大きいほう5000円のお返し」と新1000円札を5枚出すと「なんか手で触るのがちょっと…」と客も、まさかおつりが新しい紙幣とは思わず、驚いていた。
奥田さんは「興味はあるけど見たことがないという人もいると思うので、最初のうちは新紙幣で対応できたら」と話す。
ピカピカのお札を手に買い物
そして「新しい紙幣を孫に見せたくて交換に来た」という女性。これからお肉を買いに行くため、新紙幣が使用できるか試してみるということなので、買い物に同行させてもらった。
女性は店の人に「いま両替してきた」と報告。レジに、新紙幣を初めて入れてみるが、まだ新紙幣に対応していないのか返ってきた。女性は「(もう一度入れて)ざんねーん!使えませんでした。PayPayで」と結局、電子決済で支払うことに。
佐藤牛肉店・佐藤良太郎店長は「早い人はすぐ両替してきたらしい、初めてでびっくりした。レジも早めに対応していかなきゃダメだという気持ちになった」と語った。
そして取材から帰る際、コインパーキングの精算機に新紙幣を入れてみたが返され新紙幣では出られなかった。
「古い紙幣使えなくなる」詐欺に注意
業界団体の日本自動販売システム機械工業会によると、新紙幣へのシステム改修は、3日の時点で銀行のATMで「9割以上」、鉄道の券売機とスーパーのレジで「8割~9割程度」が完了したという。一方で、飲食店の券売機や駐車場のシステム改修は「5割程度」、飲料の自動販売機は「2割~3割程度」にとどまっているという。
3日に新しい紙幣の取り扱いが始まったのは、山形銀行本店営業部と荘内銀行本店営業部だけで、その他の店舗ときらやか銀行では4日からとなる。
一方で、注意が必要なのが、この切り替えに乗じた“詐欺”だ。
県内で被害は確認されていないが、警視庁などによると、全国では2024年3月以降、「これまでの紙幣は使えなくなる」などの嘘の話にだまされた被害が4件確認されている。
日銀山形事務所は、「これまでのお札は使えなくなるといった、誤った情報や詐欺に注意してほしい」と呼びかけている。
(さくらんぼテレビ)
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