7月3日から流通が始まった3種類の新紙幣、このうち、日本近代医学の父と呼ばれる細菌学の研究者・北里柴三郎が描かれた1000円札は、実は表も、裏も、デザインには島根県とのゆかりがありました。
まずは、こちら、裏面とのゆかりから。

新しい1000円札、裏面に描かれた大きな波の絵。
江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の代表作、「冨嶽三十六景神奈川沖浪裏」です。

村上遥アナウンサー:
「葛飾北斎の作品、浪裏が描かれたこちらの新紙幣。この新紙幣の発行に合わせてこちらでは波と富士山にまつわる作品の企画展が開かれています」

訪ねたのは、松江市の島根県立美術館。
新紙幣の発行にあわせて7月3日から北斎が、富士山と波、水を描いた作品を集めた企画展が開かれています。

北斎といえば、国内トップクラスのコレクションを誇る島根県立美術館。
企画展では所蔵する約2500点の中から53点を展示、70代前半で描いたとされる「神奈川沖浪裏」の表現に至るまでの軌跡をたどります。
例えば、こちらは30代後半ごろの作品「柳の絲」。
立ち上がる波の裏側が描かれ、「浪裏」に通じる表現を見ることができます。

島根県立美術館・大森拓土さん:
「神奈川沖浪裏という作品は日本の美術・文化のシンボルのような存在になっていると思うので今回の新紙幣発行を期にさらに親しみを多くのかたが持たれるのではないかと思う」

そんな世界の芸術家にも影響を与えた北斎の代表作。
実際にお札になった印象は…?

島根県立美術館・大森拓土さん:
「すごく良いですね。青みのある色とぴったり細かいところまで再現性が高いです」

美術館では、新紙幣発行を記念してこんなサービスも。

村上遥アナウンサー:
「冨嶽三十六の浪裏が描かれたこちらのドリンクには自分の名前と今日の日付をプリントすることが出来ます」

ミュージアムショップにも「浪裏」が描かれたグッズの特設コーナーが開設されました。
新紙幣発行記念の企画展は8月5日まで開かれています。

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