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■1ドル160円突破…人気店で訪日客と日本人客に温度差も

外国為替市場では円安が進行し、27日未明に、約37年半ぶりの水準となる、一時160円80銭台をつけました。この6カ月で、約17円下落しています。

対ドル円相場(2024年) この記事の写真は19枚

日本を訪れる外国人旅行者数は、2023年、約2507万人と、前の年の6.5倍になりました。さらに、2024年5月の推計値は、約304万人で、3カ月連続で300万人を超えています。

訪日外国人旅行者数

そして、こんな商品が外国人に人気です。
東京・築地場外にある飲食店の『オマール海老味噌ラーメン』5500円。

このお店の社長は、
「外国人を意識してメニュー開発したが、オマール海老を使っているので適正価格。注文するのは、ほぼ100%海外からの客」といいます。 築地漁場 リトル築地場外『オマール海老味噌ラーメン』5500円 注文したアメリカからの観光客は、
「本当においしい。(オマール海老味噌ラーメンの)値段はとてもお手頃。アメリカだったら2倍はすると思う」と話しています。

ただ、日本人が食べるのは、オマール海老はのっていない『海老味噌ラーメン』1430円です。

築地漁場 リトル築地場外『海老味噌ラーメン』1430円 外国人観光客について、日本人の声です。
「日本はお得で安いみたいでうらやましい限り」
「デパートなども外国人ばかり。買い物するのも楽しいだろうな」 外国人観光客について日本人の声

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■飲食店 外国人観光客増加で“二重価格”導入

■飲食店 外国人観光客増加で“二重価格”導入

円安もあって、外国人観光客が増える中、東京・渋谷にある海鮮バイキングのお店では、外国人観光客の価格に差をつけています。

60品目の海鮮食べ放題、90分の平日ディナーは、日本に住む人が6578円、
外国人観光客が7678円という“二重価格”です。

外国人観光客 値段に差

二重価格の理由です。
外国人観光客の多くが、カニは太い足しか食べないで、サザエは肝しか食べず身を全部残してしまうということで、食品ロスが増え、原価も上がります。

この店のオーナーは、
「外国人観光客は、海鮮の食べ方に慣れていない人も多く、スタッフは説明しないといけない。どうしても接客コストがかかる」と話しています。 外国人観光客の多くが…

こんなトラブルもあります。

店のオーナーは、
「外国人観光客の予約の半分くらいが、無断キャンセルになることも。その分、他のお客さんを案内できた、機会の損失という損害も多い」ということです。 無断キャンセルなどのトラブルも

このお店の外国人観光客かどうかの判断方法は、日本語が話せるかどうか、ということです。
日本語が話せれば、外国人観光客でも、“日本人価格”で提供しています。 身分証は時間がかかるため確認しません。

外国人観光客の判断方法

飲食店での“二重価格”について聞きました。

香港からの観光客
「同じ質と量の海鮮を香港で食べたらもっと高いので、理解できるし、満足している」 アメリカからの観光客
「理由は分かるけど、同じ値段がいい」 キプロスからの観光客
「全くよくないし、理解できない。二重価格にするにしても大幅に値段を変えず、できるだけ低くするべき」 飲食店での“二重価格”について

飲食店での“二重価格”について、

航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんです。
「過度な値上げはぼったくりと思われ、店の信用を失う危険性も。外国人観光客の値上げではなく、日本に住む人を割引する形にしたほうがいい」 航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん

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■世界遺産・姫路城 外国人は4倍の “二重価格” 検討

■世界遺産・姫路城 外国人は4倍の “二重価格” 検討

施設入場料の“二重価格”です。
世界遺産の姫路城。入城者数は、2023年度、約148万人。うち外国人観光客は約45万人で約3割を占め、過去最多でした。

姫路城の入城者数は過去最多に

姫路市の清元市長は、外国人観光客の入城料値上げを検討しています。
国際会議で、外国人観光客の入城料を7ドルから30ドルへ、約4.3倍の値上げを検討したいと発言しました。(※1ドル150円換算)

現在の入城料(18歳以上)は、1000円ですので、4.3倍だと、約4300円になります。
一方で、姫路市民は5ドル(約750円)にしたいとして、“二重価格”の検討を示唆しました。

外国人観光客の入城料値上げを検討 清元市長は、外国人観光客への入城料の値上げについて、
「もうけようというのではない。世界遺産を維持する経費を算出するため。木造の城に大勢の人が上ると、木がすり減り壊れやすくなる」と説明しています。

姫路城の年間維持費は、2022年度で約12億7000万円かかっているということです。

外国人観光客への入城料の値上げについて市長は

外国人観光客の反応です。

アメリカから来た観光客
「多くの外国人を、美しい姫路城から遠ざけることになるんじゃないか」 イギリスから来た観光客
「少し不公平ですね。平等な料金であってほしい」 オーストラリアから来た観光客
「地元に役立つならいいと思う。よほど高い金額でなければ納得する」 外国人観光客の声 清元市長です。
「姫路城を憩いの場として使う市民と、10年に1回来るかもしれない世界遺産目的の外国人観光客とは違う。値段が違うのはグローバルスタンダード」 大阪府の吉村知事も、
「(二重価格は)大賛成。大阪城もやったらいいと思う。外国人の費用が高いのは不合理とは思わない。それでも外国人観光客が見たいと思うかどうかだと思う」としています。 入城料の二重価格について 航空・旅行アナリストの鳥海さんです。
「これまでの日本の“二重価格”は、インバウンドの誘致のために、外国人観光客を無料にしたり、割引するなど、今も地方では外国人優遇策が行われている。これからの“二重価格”は、外国人の料金を高くすると同時に、ちょっとしたステッカーやサービスなど付加価値を付けるかたちがいいのでは」 これからの日本の“二重価格”について

海外の“二重価格”です。

ペルーのマチュピチュは、ペルーと周辺国の人は約5000円ですが、外国人は約1万円。2倍です。
エジプトのピラミッドは、エジプトとアラブ諸国の人は約200円ですが、外国人は約1800円。9倍です。
インドのタージ・マハルは、インドの人は約90円ですが、外国人は約2100円。およそ23倍です。

海外の二重価格 鳥海さんです。
「海外の世界遺産の一部では、オーバーツーリズム対策などで、“二重価格”をすでに導入している。さらに、途上国では、お土産店や飲食店などで、別メニューの“二重価格”を取り入れ、現地通貨ではなくドル払いを要求される場合も」 海外の世界遺産 一部では

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年6月27日放送分より)

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