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熱々のビーフシチューに、ふわふわのホットケーキ。
料理に欠かせないバターが猛暑の影響でいま、危機を迎えています。

■バター値上げに洋食店も悲鳴

お肉がとろけるビーフシチューにも、ずっしり肉厚な鮭にも…

ビーフシチュー この記事の写真は17枚

千葉にある洋食店。1日で1キロ近く使うこともあるというのが…
見ただけで幸せになれる黄色いかたまり、「バター」です。

幸せになれる黄色いかたまり えびすや・田村智之シェフ
「『生鮭のバター焼き』というメニューがあり、本当にバターでしっかりと焼いていたり、『ガーリックトースト』もニンニクをバターで溶かして、パンに塗って用意している」 生鮭のバター焼き ガーリックトースト
「鮭が思った以上にふわふわしている。運ばれてきた時からバターの香りが漂ってきているので、口に入れると(バターを)感じる」 ふわふわの鮭

惜しみなく使うのは、こだわりの国産バターです。

えびすや・田村智之シェフ
「家庭で作る料理と違って、大量のバターを使っているのでプロの味に変えてくれるバター。本当に必要なもの」 バターが必要な洋食

ただ、このこだわりがいま逆風になっていました。

えびすや・田村智之シェフ
「明らかに値上がりしているのは肌で感じている。最近でいうと1ポンド(約450グラム)で100円くらい一気に上がって、5年前から考えると1.5倍、300〜400円くらい上がっている」 約500円の値上がり

お菓子やパンの製造業者、飲食店などに出荷される業務用国産バターの価格は年々上昇。13年で、1キロ500円程度値上がりしました。

さらに、バターは仕入れも一苦労です。

えびすや・田村智之シェフ
「最初は牛乳店から(バターを)仕入れていたが、そもそも材料が確保できない。牛乳店の本社から分配される量もかなり減っているということで、うちは業者を変えてなんとかやっている」

バターをふんだんに使う店はほかにもあります。

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■ホットケーキ危機!人気店も懸念

■ホットケーキ危機!人気店も懸念


「おいしいね」
「昔ながらみたいな、いまはやりのふわっとした感じではなく、しっかり焼いた感じ」 昔ながらの…

5段重ねて、てっぺんには、バターをたっぷりと…
東京・浅草の喫茶店で提供される「ビッグホットケーキ」、1050円です。

ビッグホットケーキ 喫茶ミモザ・川杉百々代 店主
「開店のときに色んなものを研究して、このバターが好きだった。値段がすごく高いけど、どうせ提供するなら、おいしいものを味わってもらう方が大事」 店主のこだわり

創業時には1ブロック700円ほどだった国産バターが、現在は500円ほど値上がりして、およそ1200円だそうです。

バター値上がり 喫茶ミモザ・川杉百々代 店主
「物価がすべて落ち着いたらうちも考えます。しばらくの間はこのままでいくほうが、自分のためにも客のためにもおいしく提供できると思う」 ホットケーキ危機

さらに、今年は国産バターにとって、厳しい夏になることも予想されています。

■バター不足に備え 追加輸入へ

北海道の美瑛町でおよそ100頭の乳牛を飼育する牧場に話を聞くと…

美瑛町の牧場 ファームズ千代田・アブガンドロージン社長
「暑くなったら乳量も落ちて、牛が食べる量が少なくなってしまうから、いま6月でも暑いから心配。25リットルのミルクで、1キロのバターを作るので大量」

バターを作るには大量の牛乳を必要とするため、暑さで牛の乳が減るのは大問題です。

暑さで乳量が減少

実は、国内のバター在庫は、すでに去年の同じ時期と比べておよそ3000トン減少。業務用の需要が高まっている背景があるそうです。

29170t→26354t

バター不足への備えは、どうなっているのでしょうか?

農水省は、今年度国が輸入する海外産バターの輸入枠について、当初の1万トンに、4000トンを追加すると発表。猛暑となった場合でも、バターの安定供給を維持するためとしています。

バター追加輸入へ

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