(ブルームバーグ): 来週の円相場は下落か。一時1ドル=161円台前半と約38年ぶりの安値を更新し、市場の円先安観が強まっている。雇用統計など米国の重要指標を控える中、円安基調が続きやすく、介入警戒感と綱引きしながらじりじりと下値を探るとみられる。

市場関係者の見方

外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長

●円相場は下落を見込む。今の状況は米長期金利が下がってもドル買い・円売り。どこまで行けば円買い介入が入るのかを試すような動きになる可能性がある

●これまで重要イベントがあってドル高・円安が加速すると介入があった。今回はそれが米雇用統計

●指標が悪くて米利下げが早まるという動きにならない限り、162円は超えそう。163円30銭あたりが円の安値めどになる

三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジスト

●円相場は上下に値動きの荒い神経質な展開を見込む

●米雇用統計もあり、円安方向に走りやすい一方、介入警戒感あるいは介入で瞬間的に円高に振れることもあり得る

●米供給管理協会(ISM)指数などでも上下に振れやすく、短期的にポジションを持ちにくい相場になりそう

来週の注目材料

●1日:欧州中央銀行(ECB)フォーラム(3日まで)

●2日にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長とラガルドECB総裁がパネル討論会に出席

●3日に米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が均衡金利についてのパネル討論会に出席

●5日:6月の米雇用統計

来週の主な予定

●1日:日銀短観(6月調査)、6月の米ISM製造業景況指数

●2日:5月の米求人件数

●3日:6月の米ADP雇用統計、5月の米貿易収支、米新規失業保険申請件数、6月の米ISM非製造業景況指数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月11、12日開催分)

●4日:米国休場(独立記念日)

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