リニア新幹線の工事による環境への影響を専門家が話し合う静岡市の協議会が18日開かれ、トンネル工事で出た土を置くツバクロ発生土置き場について、盛り土の許可に向けた議論がおおむね終了しました。「ほとんどの項目で安定性は問題ない」とJR東海の対策を評価しています。

工事発生土置き場の安定性は?

リニア静岡工区のトンネル工事をめぐり静岡市は環境に与える影響を議論していて、18日開かれた専門家による協議会では、工事で出た土の置き場「ツバクロ」の盛り土の安定性について話し合われました。

この発生土置き場について今後 地震に対する詳しい解析を進める一方、「ほとんどの項目で安定性は問題ない」と評価され、協議会での議論はおおむね終了したことを確認しました。

静岡市・難波喬司市長:
盛り土についてはまだ解析と資料の直しはいくつか残っていますが、ほぼ最終確認ができる方向性でまとまってきている状態だと思います

また市はツバクロ周辺での大規模な深層崩壊など地震などによる災害の危険性について、「行政機関が中心となって対処の方針を示すべきでJR東海が協力することが重要」との考えを示しました。

静岡県が県境付近のボーリング調査容認

また山梨県内で行われているリニア新幹線のボーリング調査をめぐり、県はこれまで認めてこなかった静岡との県境付近の山梨側での調査について「認める」とき18日発表しました。

鈴木康友知事:
本県として県境から300m以降の(山梨県での)ボーリングについて、掘削を進めることに基本的に課題はないと考えております

県と山梨県、JR東海の3者は大井川の水量が減った場合に回復措置を取ることで合意し、鈴木知事は山梨側でのボーリング調査を認めました。

鈴木知事は県内の調査について「利水協議会に意見を聞きながら判断していく」と述べています。

今回、合意にいたったボーリング調査について改めて説明します。

JR東海はリニア開業に向けて山梨・静岡・長野にまたがる南アルプストンネルの工事を進めようとしています。この工事に先立ち地質などを調べるのがボーリング調査です。

すでに県境から山梨側に339mまで調査が進んでいますが、静岡県はこれまで300m以内の調査を認めてきませんでしたが、今回この300mの区間の調査が合意されました。

今後注目される静岡県内の調査ですが、鈴木知事は「大井川の流域市町などでつくる利水協議会の意見を聞きながら判断していく」と話しています。

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