往年のファンにはたまらないギンギラギンのトラック、通称「デコトラ」です。どんなイカつい“トラック野郎”が乗っているのかと思ったら…意外に癒やし系でした。
植木康博さん(51)「(Q.これは何の車?)何の車?キッチンカーです」
いまや、キッチンカーは戦国時代に突入。超個性派が出陣しています。
■何が買える?デコトラキッチンカー
道の駅「グリーンファーム館山」 この記事の写真千葉県館山市にある道の駅「グリーンファーム館山」。デコトラキッチンカーは、週4回ここに現れます。
デコトラキッチンカー店主の植木康博さんです。デコトラキッチンカーは、なんとも目を引きます。
店主の植木康博さん 植木さん「一部、既製品もありますけど、9割特注品」
運転席の上につけられた12個のスイッチ。ONにすると、電飾が点灯します。
植木さん「実家が電気屋なので、ちょっとした配線ぐらいなら」 装飾・改造前のトラック
トラックは中古で、およそ200万円で購入。装飾・改造には600万円ほどかかったといいます。
妻の千鶴さんは、夫の暴走をどう思っているのでしょうか?
妻・千鶴さん「(Q.そこにお金使うの?はない)最初は思いましたけど。まあ、イキイキしているので」
“デコトラキッチンカー”は、乗り物好きを引き寄せます。
ツーリング中の客「昔、はやったよな」
「昔、こういうトラックはやったな」
「デコトラ?」
「目立つよね」
「キッチンカーでデコトラは珍しい」 “デコトラキッチンカー”の人気メニュー
そんなド派手な“デコトラキッチンカー”の人気メニューは…?
デコトラとのギャップが激しい、スイートな「バナナジュース」です。
植木さん「はい、どうぞ」 客
「ありがとうございます」
多い日は、40杯も出る人気商品です。
客「おいしい?冷たいね。おいしいそうです」 地元・館山市で93年続くバナナ専門店から仕入れ
実は、使われているバナナは、ただのバナナじゃないのです。
客「どこ行っても売り切れ。バナナ専門店のバナナ」
バナナを仕入れているのは、地元・館山市で93年続くバナナ専門店です。
海外から、厳選したバナナを青い状態のまま輸入。それを温度や湿度を細かく調整、時間をかけ熟成させています。
砂糖は使っていないその甘さは、半端じゃありません。材料は「バナナ」と「牛乳」のみ。砂糖は使っていません。
植木さん「(バナナジュース)やり始めて、一気に売れるようになった」
鮮度が命、賞味期限はわずか20分だといいます。
客「バナナそのままを食べているみたいです。濃厚です。おいしい」 デコトラでキッチンカーを始めた理由
それにしても、なぜデコトラでキッチンカーを始めたのでしょうか?
植木さん「館山市の人口が、すごく少ない。このままでは将来、固定店舗だけではやっていけなくなるので、キッチンカーを作りました」
館山市で居酒屋を経営している植木さん。未来を見据えて活躍の場を広げようと、キッチンカーを始めたのです。
ド派手なキッチンカーにしようと思い立ったワケとはいえ、キッチンカーは飽和状態。差別化しなければ生き残れません。
植木さん「キッチンカーの外が暗かったりとか、中が暗かったりすると、お客さんが来ないんじゃないか」
そこで、ド派手なキッチンカーにしようと思い立ったというワケ。今や地元の名物です。
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■前代未聞…“マグロ解体”キッチンカー■前代未聞…“マグロ解体”キッチンカー
皆が、こぞって撮影するキッチンカーみなさんが、こぞってスマートフォンで撮影しているのもキッチンカーです。一体、何がそんなに珍しいのかと思ったら…なんと、目の前に大きなマグロがありました。
キッチンカーで、マグロの解体ショーそう、マグロの解体ショーが楽しめる超個性派キッチンカーなのです。
客「マグロ解体ショーあるんや、観たいなと」
「子どもに観せられるので、良かった」
「楽しかった。おいしいし」 店名の由来
関西に出没するキッチンカー「at鮪」。店主の西本知生さん(41)です。
西本さん「これで“アッと”驚かせる、(店名に)“アット”を付けた」 本マグロをぜいたくに使った「マグロ丼」
2年前、あっと驚くマグロの解体ショーを武器に登場したキッチンカー。人気メニューは、本マグロをぜいたくに使った「マグロ丼」です。
様々な部位を使ったどんぶりが楽しめるのは、解体ショーを売りにするキッチンカーならではです。
客の男性が口にしたのは「マグロの頭肉」です。
客「脂の乗りがスゴイ」
こちらは、マグロをお嬢ちゃんがパクリ。実は、キッチンカーでこんな配慮をしてくれたそうです。
客「生モノはあげられないので、(店員に)聞いてみたら、あぶってくれるというので、それなら食べられるかなって」
キッチンカーでマグロの解体ショーを実現するのは、ひとかたならぬ苦労があったといいます。
卸売業者「マグロ30キロ。1本用意させていただいています」
この日は、本マグロまるごと一匹をおよそ20万円で購入しました。
卸売業者もびっくり店主の西本さんは、元々回転寿司店の店長でした。
卸売業者「最初はビックリしました。僕が知る限り、どこもやってなかった。そういう目線もあるんやって思った」 許可を出す「保健所」もびっくり
ビックリしたのは、許可を出す「保健所」も一緒でした。
西本さん「前代未聞で、今まで事例がないと。会議に1週間くらいかけられた」 衛生面には、細心の注意
なんとか保健所のOKを取り付けた西本さん。衛生面には、細心の注意を払っているといいます。
西本さん「まな板は、しょっちゅう洗っています。基本、使ったらすぐ洗う」
「(Q.結構、水使うんですね?)他のキッチンカーの倍以上は、使っていると思います」
ここまで苦労しても、キッチンカーで前代未聞のマグロの解体ショーを実現させたかったワケとは。
西本さん「回転寿司で解体ショーやった時、お客さんが驚き、喜んでもらえた。解体ショーって施設行かなアカン、店行かなアカンとか、気軽に観て喜んでもらえる」
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■キッチンカーが“巨大すぎる”ワケ■キッチンカーが“巨大すぎる”ワケ
およそ70の飲食店が立ち並び、様々なグルメが楽しめる食をテーマにした巨大リゾート施設「ヴィソン」。およそ70の飲食店が立ち並び、様々なグルメが楽しめます。
巨大すぎると、話題のキッチンカーここにも、超個性的なキッチンカーがあります。巨大すぎると、話題になっています。
長さ11メートル、幅2.4メートル。高さ3.75メートル。アメリカ製の8トントラックを改造したキッチンカーです。
客「スゴイですよね。めっちゃ気を使って走らなダメですね」
隣のキッチンカーと比べてみると、ご覧の通り。気になるのは、お金です。
店主の長門智基さん店主の長門智基さん(31)です。
長門さん「機材費とかも含めると、ホントに家一軒は建ちます」
すると突然、長門さんが丸い筒を持ってキッチンカーの上へ。なるほど、煙突ですね。まさに、家のようです。
客「これは初めて見る光景ですね」 特注品のピザ窯
実は、煙突の下には本格的なピザ窯があるのです。特注品で、およそ300万円もかかったそう。
長門さん「これは4〜5枚、1回で焼けます。1枚だと、どうしてもお客様を待たせちゃう」 本格ピザ
本場イタリア同様、500度の熱で一気に焼き上げます。
客「チーズすごいね」
焼き立てアツアツがたまりません。
客「おいしい」
「うまいね」 およそ300万円のエスプレッソマシン
さらに、こんなものもあります。
長門さん「このサイズのエスプレッソマシンを乗せているのは、なかなかない」
その価格、およそ300万円。巨大キッチンカーだからこそ導入できました。
本格的なコーヒーも魅力です。お店が、そのまま移動してきたようなクオリティーを楽しめます。
床に開いた“穴”の目的は?突然ですが、ここで問題。この床に開いた穴。一体、何だと思いますか?正解は…?
長門さん「お客さんと目線あわせるのに。床を切り抜いて、オーダーメイドで」 “穴”は接客をするためのもの
そう、こうして店員さんが入って、接客をするための穴だったのです。巨大キッチンカーならではの工夫ですね。
存在感たっぷりの大きな車体は、注目の的です。
客「珍しいじゃないですか、こういう大きい車って。こういうキッチンカーは初めて」
「なんか知らんけど、妙に楽しくなる」
それにしても、なぜこんな巨大なキッチンカーにしたのでしょうか?
巨大キッチンカーの理由 長門さん「(通常のキッチンカーでは)自分の身長が車内で入らなくて。もっと大きいのって、トラックとか調べたら、コレになりました」
長門さんの身長は187センチ。長身の店主にあわせ、巨大になったとは驚きです。
大きさが強みにでも結果的に、この大きさこそが強みになりました。
長門さん「想像してた以上に、車両に反応していただける。インパクトが売り上げに結びついている」 この記事の写真を見る
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