大阪の“粉モン文化”を象徴するたこ焼きは今、岐路に立たされています。

 取材班が訪ねたのは大阪市東淀川区にあるたこ焼き店「たこ焼たこば」。ソース味のたこ焼きには、大きなタコが入っていますが…

 (たこ焼たこば 島田良太代表)「圧倒的に価格が上がっているのがタコですよね。20年前は1kgで1000円前後だったのが、今は2000円くらいですかね」

 日本のたこ焼きで使われているタコの多くはその歯ごたえの良さなどから西アフリカ産のものが多く輸入されてきました。しかし、漁獲量の減少やヨーロッパ・中国でのタコ人気の上昇などから買い付けが難しくなり、値段が上がっているのです。この店ではかつて6個300円で販売していましたが、現在は1.6倍の480円です。

 (たこ焼たこば 島田良太代表)「タコを小さくされているお店もあるとは思うんですが、うちはそれをしてお客さんが悲しむ姿を見たくないので。タコの大きさを変えずに、その代わりに価格を上げさせてもらいますと」

 東京商工リサーチによりますと、昨年度は全国でたこ焼き店・お好み焼き店・焼きそば店が前年比3.4倍の17社倒産していて、背景には食材価格の高騰に加え人件費の上昇があるとみられています。

 (たこ焼たこば 島田良太代表)「安さを競い合うんじゃなくて、味を競い合うようになってくれたら。大阪全体で粉モン=安いというイメージを払拭していくしかないですよね」

 値上げの波はほかの馴染みある粉モンでも。大阪・十三にあるいか焼きの店「昔ながらのイカ焼 天六屋」では…

 (昔ながらのイカ焼 天六屋 尾崎文彦店長)「スルメイカの値段が上がっている。昔と比べたら5倍くらいになっています」

 これから旬を迎えるスルメイカですが、北海道の函館漁港では過去最低だった去年をさらに下回る漁獲量になるなど、こちらも年々減少しています。

 (昔ながらのイカ焼 天六屋 尾崎文彦店長)「7年前のオープン当初は150円だったんですけど、現状では230円。1回に買ってもらえる量は少し減っているのかなと思いますね」

 相次ぐ粉モンの値上げに街の人は?

 (70代)「値段が上がってもしかたないっていう感じですかね。好きなものは好きだから買って食べる」
 (50代)「(買う頻度は)値段が上がったらちょっと減りますよね」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。