風車を海に浮かべて発電させる「浮体式」の洋上風力発電の導入に向けた実証事業に、秋田県の「由利本荘市・にかほ市沖」が選ばれた。事業は2030年までで、世界最大級の大型風車2基が設置される。
秋田港などでは風車を海底に固定する「着床式」の洋上風力発電が稼働しているが、「浮体式」は風車を海に浮かべて発電させるもの。
経済産業省などは、浮体式の大型風車による実証海域と事業者を公募し、11日に由利本荘市・にかほ市沖など全国2つの海域が選定された。
事業者は、秋田港・能代港の洋上風力発電所の運営管理業務などを行う「丸紅洋上風力開発」や東北電力など9社で組織する企業連合が選ばれた。
この海域は、由利本荘市の沿岸から約20~30キロの沖合で、水深は400メートルほど。最大出力1万5000キロワットと、秋田港の着床式風車の3倍以上となる世界最大級の風車が2基設置される。浮体の半分ほどを浸水させる「セミサブ式」が採用される。
日本は水深が急に深くなる地形が多いため、潜在的に浮体式洋上風力発電の需要が高いとされている。
実証事業は2030年までで、国は浮体式の量産技術を確立して、洋上風力産業の国際競争力の強化を図る方針。
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