放火で焼けてしまった歴史ある京都府の神社。
再建する資金を集めるため、地元住民たちがクラウドファンディングを始めました。
■事件から1年 基礎が残っただけの姿の神社 当時19歳の大学生が放火
「燃えたままの状態です。手入れも何もしていません」
「あたごさん」と呼ばれ、愛されてきた京都府福知山市の愛宕神社。
事件から1年がたっても基礎の部分だけが残った姿です。
神社の再建を目指す委員会の中心となっている土手さんは…。
【愛宕神社再建委員会・土手隆晴委員長】「400年、一生懸命守ってきたのが、一瞬でこうなってしまったので、ご先祖に申し訳ないと思います」
福知山市では2023年5月から6月にかけ、愛宕神社を含め不審火が6件相次ぎ、一連の放火に関与したとして当時19歳の大学生だった男が逮捕・起訴されました。
本来の姿に戻すには大きな壁が…。
約1億4000万円という莫大な費用がかかることがわかったのです。
半年たっても思うようには進まない再建。
土手さんたちは焼け残ったご神体を供え、毎年恒例の祭りの規模を縮小して開催し、神社存続の思いをつないできました。
これまでに地元住民からの寄付で集まった再建資金は約1500万円、神社にとっては大きな寄付ですが、目標金額には届いていません。
■神社再建の支援を募る先を全国へ拡大 目標は800万円
6月1日、債券決起集会が行われました。
「再建に向けてがんばろう~がんばろう~」
6月、土手さんたちは支援を募る先を全国に広げることにしました。
6月10日から7月末までクラウドファンディングで資金を集めることに決めたのです。
【愛宕神社再建委員会・土手隆晴委員長】「クラウドファンディングのお願いの文書を、全国の皆さんに発送しようとしている。前をむいて頑張ってやりたいと思います」
お札などを返礼品に、まずは800万円を集めることを目標にしています。
元大学生の男の刑事裁判は12日、判決が言い渡される予定ですが、男に損害賠償を請求しても支払いの見込みは不透明で、男の父親も法廷で「再建の費用は、現時点で対応できない」と証言しています。
【愛宕神社再建委員会・土手隆晴委員長】「再建できたらいいんです。一歩でも前の規模の神社にしたいけど、力なくて困っているんです」
事件から1年、再建への道のりは始まったばかりです。
(関西テレビ「newsランナー」2024年6月11日放送)
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