今月4日から10日までは「歯と口の健康週間」です。東北大学発のベンチャー企業が「歯周病」を治療する医療機器を開発しました。世界で初めての「歯周病の治療器」として日本で承認された医療機器。その開発者を取材しました。
青い光を放つこの医療機器。世界で初めて「歯周病」を治療するための医療機器として日本で承認された「ブルーラジカルP-01」です。
東北大学大学院歯学研究科 菅野太郎教授(ベンチャー企業Luke代表取締役)
「歯周病専用の治療器として初めて認可されたという点がまず画期的なところ。機械的に除去しながら殺菌も一緒にする。しかもそれが一回の治療でというのがこれまでにない歯周病治療の新しい発見」
歯周病の患者数は虫歯とは対照的に、この20年間で右肩上がりに増え続けています。実はこの歯周病は、命に関わる病気につながるリスクがあるといいます。
歯周病になると、歯茎の出血で歯周病菌が血管などから全身に運ばれ、糖尿病や骨粗しょう症、動脈硬化や認知症など、さまざまな病気のリスクを高める可能性があります。
その歯周病の治療器として開発された「ブルーラジカルP-01」は、超音波で振動させながら青いレーザーを照射。歯垢だけでなく、歯周病の原因である細菌を99.99パーセント死滅させることができるといいます。
東北大学大学院歯学研究科 菅野太郎教授
「重度の歯周病は歯周外科か抜歯をするしかなかったが、お肉を開かない状態で歯と歯茎の間の歯周ポケットの中に超音波振動する振動子を入れて、クリーニングしながら殺菌するという方法」
Q、患者のメリットは?
「抜歯や歯周外科をしなくて済むというところが患者さんの大きなメリットなのではないか」
1回の治療で効果は持続しますが、「日頃の歯みがきの習慣があってこそ」ということで菅野教授は歯みがきの重要性を指摘しています。
東北大学大学院歯学研究科 菅野太郎教授
「日常において歯に興味を持っていただくという習慣をしっかり作っていただければ、おそらく歯周病から多くの方が解放されるのではないかと思いますので、ぜひ治療を受けながらより良い生活を作っていただければうれしい」
17年の歳月をかけて開発された「ブルーラジカルP-01」。東北大学の佐々木啓一名誉教授は、この開発について次のように話します。
東北大学 佐々木啓一名誉教授(宮城大学学長)
「(日本は)イノベーションが起きにくいが、我々はイノベーションを起こそう、歯科医療の面からのイノベーションの歩みを見せていきたいということがあって、このプロジェクトもここまでやってこれたのだと思う」
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