住宅ローンの固定金利などに影響する長期金利ですが、このところ1%前後の水準が続いています。金利の上昇は、私たちの家計や企業に様々な変化をもたらします。

東京・墨田区にある町工場。金属の板を機械で切り出し、自動車や半導体関連の部品を作っています。

浜野製作所 浜野慶一社長
「創業時からちょっとずつ買い足して。機械は耐用年数があるので、老朽化してきたら更新をして入れ替えをして」

ものづくりを支える機械の数は、100を超えるといいます。

それだけに、気がかりなのは…

浜野製作所 浜野慶一社長
「金利がどんなに高くても、必要な設備は必要な設備」

機械の導入など、中長期の設備投資に影響する長期金利の上昇です。

浜野製作所 浜野慶一社長
「実質的な金利が上がることに対して支払負担・費用負担は上がるので負担が増えていく、厳しいという状況ですよね」

金利の上昇が事業に与える影響について、「マイナスの影響の方が大きい」と答えた企業が最も多く、37.7%にのぼりました。

長期金利の代表的な指標である10年物国債は先週、およそ13年ぶりの水準となる1.1%まで上昇。きょうも1%前後の水準が続いています。

背景には円安に対応するため、日銀が利上げなど「金融政策の正常化を早めるのではないか」という観測が市場ででているからです。

長期金利の上昇は、▼住宅ローンの固定型の金利の引き上げなど家計の負担につながる一方、▼銀行などの定期預金の金利が引き上げられ利息が増えるなどのメリットもあります。

「金利上昇によって、お客様にとって有利なケースが多くなってきます」

学資保険や個人年金保険などの積立型の保険が有利になることもあります。保険料の運用益が増えるため、契約者が受け取るお金を増やしたり、保険料を安くしたりすることができるためです。

学資保険の説明を聞いた客
「お金に余裕ができたら(資金を)子どもの学資保険に回せたらいい」

私たちの生活に影響する「金利」。1週間後には日銀の会合が控えていて、そこでの議論や判断が今後の行方を左右することになります。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。