メガソーラーは、なぜ福島市の吾妻山の一角に建設されるのか?吾妻山を含む周辺一帯は磐梯朝日国立公園となっているが、建設地はメガソーラーの事業者が所有する土地だ。この場所は、かつてゴルフ場の建設も計画されていて、平成の時代はカントリークラブなどに所有権があった。それが2018年、現在の事業者に所有権が移り、事業が開始された。
建設までどんな流れを辿っているのか?
福島県森林保全課・石井清隆課長は「『災害の防止』、『水害の防止』、『水の確保』、『環境の保全』、この4つの要件について、条件を満たしているか審査を行いました。条件を満たしていれば、許可をしなければいけないということになっております」と話す。これまでに必要な法令をクリアした上で、福島県が許可を出したメガソーラーの建設。
一方、景観の悪化については?
福島県森林保全課の石井課長は「(景観は)林地開発許可の中で審査する基準がございませんので、林地開発許可の中で対応することができませんでした」という。
国は「環境保全措置によって景観への影響は小さい」と評価。
また、福島市は、市の景観条例についても許可を出していて、4度の住民説明会で「地元の理解を得た」と判断。しかし、福島市は「丸裸の湖のようなものが見える状況にはならない」と事業者から説明を受けていたと主張している。
一方、懸念は郷土史の研究家にも広がっていた。
「福島の死者が亡くなると(吾妻山の)一切経山に集まるっていうんですよね」と語る福島市の歴史を研究する江代正一さん。吾妻山には、死者の魂が集まる「信仰の山」とされ、先人たちが手を合わせてきたと話す。その吾妻山が、福島市の発展を支えてきたと考えている。江代さんは「吾妻山のおかげでこの福島があるんですよね。特に水でしょ、地下水もあるし、伏流水ね。自然とうまく付き合わないと駄目だということではないでしょうか」と話した。
そして、泥水の流出について、福島県は現地で行った調査結果を公表した。
建設現場の仮設水路が詰まっていたのが原因で、既に排水機能を強化する対応策が取られたということ。県は適切な開発を指導していくとしている。
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