トヨタ・ホンダ・スズキなど大手メーカー5社が自動車などの量産に必要な認証を巡って不正があったと報告し、各社のトップが相次いで謝罪しました。

■トヨタ 計7車種で不正 影響は170万台

トヨタ自動車 豊田章男会長
「トヨタグループの責任者として、お客様、車ファン、すべてのステークホルダーの皆様に心よりおわび申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」

 3日、会見で謝罪したトヨタ自動車の豊田会長。国の型式指定の申請を巡り、合わせて7車種で不正行為が見つかったと発表しました。

 このうち、3車種は現在も販売されています。影響を受ける台数は170万台に及ぶということです。

 国土交通省の依頼を受けた企業が、生産された車の歩行者保護試験を行った際の映像では、試験では時速50キロ相当でぶつかった時、頭と足それぞれでどの程度、けがを軽減できるのかを測ります。今回、同様の試験で不正が報告されました。

トヨタ カスタマーファースト推進本部
宮本眞志本部長
「認証で申請した測定部位と実際にぶつけた位置が左右逆のデータを使ったことや、片側のデータを両側分のデータとして認証申請に使用してしまいました」

 今回、国交省に不正行為が報告されたのは、トヨタ自動車、本田技研工業、マツダ、ヤマハ発動機、スズキの5社です。

■マツダ エンジン制御のソフト書き換えも

 マツダでは、生産が終了した3車種についてエアバックの試験で不正がありました。

マツダ 小島岳二専務
「エアバッグを自然起爆ではなく、外部装置を用いて、時間指定起爆をした試験を実施し、それを申請データとして使用したことです」

 本来なら衝突で作動するエアバッグをタイマーで作動させていました。これは去年発覚した、トヨタのグループ会社・ダイハツ工業でも行われていました。

 マツダでは他に、現在販売中の2車種についても、エンジン制御ソフトの書き換えがあったということです。

小島専務
「不正事案の該当車両は5車種で約15万台。すべて国内市場向けでございます」

マツダ 毛龍勝弘社長
「今回の事案に関しては、昨年発生した他社の事案、こういったものを参考に当社の現場のエンジニアの中から類似ケースがありますという声があがってまいりました」

■国交省 トヨタなど3社に出荷停止を指示

 車両の認証試験を巡っては、トヨタグループのダイハツや豊田自動織機で不正が相次いだことから、国交省が自動車メーカーや装置メーカーなど85社に型式指定の申請における不正の有無などを調べるよう求めていました。

 国交省は現行生産車で不正行為の報告があったトヨタ、マツダ、ヤマハ発動機に対し、出荷停止を指示しました。

 そのほか、生産が終了した車種について、ヤマハでは警音器試験、ホンダでは騒音試験、スズキでは制動装置試験について不正が報告されています。

■5社に立ち入り検査 事実関係など確認へ

 なぜ不正は起きたのでしょうか。豊田会長は会見でこう説明しました。

豊田会長
「当局と一緒になって、どういう試験をすればいいか、ネゴシエーション(交渉)しながら決めていくわけですが。その段階でこれは厳しい(条件)でやったんだから、よかったよねと現場で判断されてしまった」

 国交省は不正行為のあった5社に対して立ち入り検査を行い、事実関係などの確認を行うことにしています。

(「グッド!モーニング」2024年6月4日放送分より)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。