1カ月に2度の減便で物議を醸した横浜市営バスをめぐり、新たな議論を呼びそうな動きがあったことがわかった。

30日、乗務員に関して出されたという「バス乗務員の夏季休暇について」という書面。

その内容は、「夏休みの5日間返上で5万円、1日当たり1万円という金額を支給する」という驚くべきものだった。

なぜ、5日間の夏休みを返上する乗務員には5万円が支給されるのだろうか。

FNNの取材に横浜市交通局は「通達は事実」だとしたうえで、乗務員不足を乗り切り、バスの運行スケジュールに穴が開かないようにするための方策だと回答した。

そこで、イット! は乗務員不足の現場を訪ねた。

JR保土ヶ谷駅前のバス停では、20人ほどが長い列を作っていた。

2024年になり、運転手の労働規制が強化されたことにより、4月だけで2度、あわせて367本を減便した横浜市営バス。

その影響について利用客は、減便から1カ月以上が経過した今も、重くのしかかったままだと話す。

利用客(80代)「畑行くんですここから。(便が)少なくなりましたね。今30分待つんです」
利用客(80代)「(Q. バス少なくなったと感じる?)すごく感じる! 1台乗り遅れると、20分待たないといけない」

誰もが口にする、減便による不便さ。

一方で、さらなる乗務員不足対策として打ち出された、夏休み返上で5万円支給策には賛否が分かれた。

利用客(60代)「とにかく人手不足だから、運転手さんが喜ぶならいいんじゃない? (1日)2万円あってもいいかもね」

一方で、乗務員の体調を気遣う意見も聞かれた。

利用客(80代)「休まずにって体が持たないでしょ。お金と体どっちが大事かしら」

さらに、SNSからは次のような疑問の声も上がっていた。

SNS上の投稿「これやっていいの? “有休の買い取り”だったら違法なのでは?」

一方、横浜市交通局は当該の夏季休暇について、労働基準法で定められた年次有給休暇とは別の扱いの休暇を対象に呼びかけたものだと回答。

また、5万円という額については、収益が黒字だった場合に通常上乗せされるという5万円の業績手当を参考に、12月の期末手当で支給するとしている。

そのうえでバス利用者に向けては、「新たなバス乗務員の応募も来ていますが、戦力となるにはまだ時間がかかります。市民の足を守るための方策であることをぜひとも理解いただきたい」としている。

乗務員不足の中で打ち出された「夏休み返上で5万円」策。
法的な問題はないのだろうか。

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