”関西最後の一等地”として開発が進む、大阪・梅田の「うめきた2期エリア」その名も、「グラングリーン大阪」。29日で先行開業まで100日となり、公開された現場はかなり工事が進んでいた。

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沖田菜緒記者リポート:私がいるのは、『うめきた2期地区』の北側、ちょうどグランフロント大阪の真向かい側のあたりの場所です。ここに来て思うのは、本当に緑が多いなということです。この周りにビルが立ち並ぶ、梅田の大都会の雰囲気とは、まったく違った雰囲気でここが梅田だというのを、忘れてしまうぐらい落ち着いた空間になっています。そしてこの後ろに見えるのが、建築家の安藤忠雄さんが手がけられたミュージアムです。こちらは内装も含めて、ほぼ完成しているということで、きょう初公開されました。この建物の他にも今年の9月の一部先行開業に向けて、公園内の建物さまざま準備が進んでいますので取材しました。

■”緑の少ない大阪”返上の期待 駅直結としては世界最大級の公園計画

29日、先行まちびらきまで、あと100日となるイベントが開かれた、うめきた2期地区「グラングリーン大阪」。

甲子園球場がまるごと入るほどの大きな公園が、梅田の真ん中にできる予定で、駅直結としては世界最大級だ。

「大都市の超一等地に緑の公園をつくる」。

その計画が持ち上がったのは10年以上前のこと。

大阪市 吉村洋文市長(当時):ニューヨークのセントラルパークもそうですが、力のある都市は中央に緑があって、中央にある緑は非常に価値が高い。コンセプトとしては、都心に緑をどーんと配置する。

実は、大阪はとても緑が少ない都市で、国土交通省の調査によると人口1人当たりの都市公園面積は、全国最下位。行政も長年の課題と認識してきた。

”緑の少ない大阪”返上の期待を背負ったグラングリーン大阪。

過去にも工事の進み具合を随時お伝えしてきたが、29日、現地に足を踏み入れると、これまでとは大きな違いが。

■「大都市として成長していくために、緑の方が価値がある」

吉原功兼キャスター:木々も生い茂っていて、緑もまぶしくて公園らしくなってきましたね。

ことし9月の先行まちびらきでオープンする「うめきた公園」には、桜など約320種類、1500本ほどが植えられる。

29日の会見でも吉村知事が期待を語った。

大阪府 吉村洋文知事:都市としての将来的な価値は高まる。大阪関西を長い目で見たときに、大都市として成長していくためには、緑の方が価値があるだろうと。

(Q.採算の部分だけ考えると、商業施設の方がいいのでは?)
大阪府 吉村洋文知事:ここを全部ビルにしたら、一瞬は売れるかもしれませんけど、中長期的に梅田というエリア、広く面で見たときには、ここを緑にした方が全体の価値は、高まるんじゃないかなと思います。

■世界的建築家・安藤忠雄さんが設計監修 目玉施設「VS.」

そしてもちろん公園だけではない。
29日、目玉施設の1つ、世界的建築家・安藤忠雄さんが設計監修を手掛けた「VS.」が初めて公開された。

安藤さんはこの施設に込めた思いについて…。
安藤忠雄さん(去年10月):全域、緑になれば大したもんや。そこへ行くと、面白いことが起こるんじゃないかというボックスにしようと。『大阪は緑ない、緑ない』と言われてるじゃないですか。『まだ新しい世界がありますよ』と言ったらどうやろか。

大都市のど真ん中にできる緑の公園…に、できる新しい世界を見ることのできる施設。

■建物の半分が地下に埋まっている 「VS.」設計リーダーに案内してもらった

記者リポート:目玉施設の『VS.』の中に入ってきました。監修したのは建築家の安藤忠雄さんですが、設計したスカイツリーや東京ドームなど数々のランドマークを手掛けた日建設計です。この建物を含めた公園内の建物の設計を担当した團野さんにお話を聞きます。

(Q. 「VS.」ってどんな施設?)
日建設計・團野浩太郎さん:この建物は3600平方メートルあるんですけど、そのうち大部分が地下に埋まっていまして、地下に驚きの空間が隠されてる建物になってます」

(Q.四角い建物多いのはなぜ?)
日建設計・團野浩太郎さん:正方形をたくさん使っていまして、正方形は表も裏もありません。このグラングリーン大阪は公園を中心とした緑あふれる施設で、そこにあまり裏を向けたくないという思いです。周りのグランフロント大阪やスカイビルも正方形を使った形をしているんです。周囲に馴染むような形で正方形を配置することで、グラングリーン大阪で生まれる緑とにぎわいが、梅田の街、そして周辺の街全体に広がって、そのうち大阪全体ににぎわいと元気が広がっていくようになるといいなと思っています。

地下の空間にやってきた。

日建設計・團野浩太郎さん:地下の空間は、地下だけど大きくて光があふれた空間です。驚きの隠された空間というのはこちらの空間になります。

(Q.かなり高さがありますね)
日建設計・團野浩太郎さん:高さ5階建てのビルが、すっぽり入る高さ15メートルで、幅や奥行きも15メートルある展示室になっています。壁は真っ白で、どんな内容でも、どんな映像でも投影できるキャンバスになっています。この壁の半分ぐらいが、地下に埋まっているということになっています。

(Q.建物の半分が地下に埋まっているのは、珍しいと思うが何か狙いがあったのでしょうか?)
日建設計・團野浩太郎さん:公園をなるべく広くしたいという思いがあり、地下に沈めているところもあるんですが、 設計の中で安藤忠雄先生とご相談させていただく中で、『大きいものが必要なのは分かるけど、それをあんまり公園で目立たせるな。もうそんな沈めてまえ』と、お話をいただいて。『わかりました。沈めて作ります』とお話をさせていただきました。

(Q.巨大な空間をどう活用する?)
日建設計・團野浩太郎さん:この空間は活用するクリエイターにどんなことでもやってもらえるように、吊りバトンといって昇降式のフレームを用意している。あらゆる世界観を表現してほしい。

(Q.広い芝生は楽しみだが、日影がないと真夏の暑さの対策は?)
日建設計・團野浩太郎さん:広い芝生広場の中に大きな池があり、子どもが遊べる。すぐ横に親御さんも座れる木陰が用意されている。水の清涼感と木陰の涼しさを用意しています。

(Q.どういう人の楽しんでほしい?)
日建設計・團野浩太郎さん:特に子どもたちが 街の中にこんなに素敵な空間があって、日常でこういったものを楽しめる日々を送ってくれたらうれしいなと思っています。

(関西テレビ「newsランナー」2024年5月29日放送)

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