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 今年も新茶の季節がやってきました。しかし、「一番茶」が記録的な安値となり、日本一の産地で異変が起きています。

■茶葉の一大産地・静岡 農家は経営ギリギリ

外国人観光客が絶賛の日本茶 この記事の写真

 外国人観光客が絶賛しているのは、日本茶です。

ドイツからの観光客
「(Q.日本のお茶は好き?)大好きです。日本茶はドイツでも人気があります」 茶葉の一大産地・静岡県では…

 いまや世界中から愛される日本のお茶文化ですが、茶葉の一大産地・静岡県では…。

足久保ティーワークス 北條真悟さん(41)
「経営自体は厳しいですよ。好きな気持ちがないと、続けられないような仕事になってきているかなとは思っています」 農家は経営ギリギリ状態

 経営がギリギリの状態にあるというのです。一体、何が起きているのでしょうか?

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■3月の急激な冷え込み…供給過多で価格下落

■3月の急激な冷え込み…供給過多で価格下落

“静岡茶発祥の地”へ

 番組が向かったのは、“静岡茶発祥の地”とされる静岡市・足久保です。

徳川家康が愛した「足久保茶」

 かつて徳川家康が愛した「足久保茶」は、これまで農林水産大臣賞を受賞するなど、高級茶として人気を博してきました。しかし…。

足久保の茶農家 松永哲也さん(51)
「何年も前から期待はしてないですよね。(一番茶の)平均単価が下がっている。日本茶を飲む機会が減っている」 一番茶の平均価格が年々低下

 28年「足久保茶」を作り続けてきたお茶農家の松永さんは、その年最初に摘んだ、さわやかな香りが特徴の一番茶の平均価格が年々、下がっていると嘆きます。

平成以降で最安値か

 平成で一番高値だったのは1999年ですが、お茶離れもあり、そこから徐々に低下。今年は、去年よりも10%から15%低く、平成以降で最も安値になると見込まれています。なぜ今年、そこまで価格が下がってしまったのでしょうか?

今年価格が低下した理由

 原因は3月に起きた急激な冷え込みです。成長が遅れ、茶葉を摘む時期が先月下旬に集中。その結果、供給過多による価格の下落が起きたのです。

松永さん
「本当は市場でバーンといい値段で、それで皆さん農家の頑張りが報われるというのが一番でしょう」

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■重油価格も高騰「トリプルパンチで限界」

■重油価格も高騰「トリプルパンチで限界」

天候との闘いも

 厳しい価格が続くお茶農家。さらにここ数年は、天候との闘いも強いられてきました。

北條さん
「最近、夏に豪雨で土砂崩れとかもちょくちょく起こってしまって。その時に茶畑が崩れて、なくなってしまったので。上の茶畑みたいになるには、やっぱり5、6年かかります」 茶畑が流される被害

 おととし9月に発生した台風15号や近年、夏場に起きる大雨の影響で、茶畑が流される被害が出ています。

 悩みの種はこれだけではありません。

重油価格も高騰 北條さん
「電気で茶葉を製茶していく工程がかなり多いので。去年(電気代が)とても高騰して、その年だけで何百万円も経費が上がっている」

 工場内の機械を動かす重油の価格高騰も響いています。

農家「トリプルパンチで限界」 北條さん
「ダブルパンチどころじゃないです。トリプル、もっとありますね。もうとっくに耐えられないレベルのところまでは達していて、それでもやっぱりお茶が嗜好(しこう)品なので。販売価格には転嫁できないので。販売価格は上げられず、原価がどんどん迫ってくるという形で、かなり厳しい状況ではある」

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■紅茶に活路 消費者に直接、茶葉の魅力を

■紅茶に活路 消費者に直接、茶葉の魅力を

新たな試みも

 お茶農家が厳しい局面におかれるなか、新たな試みも始まっています。

 足久保地区の茶農業組合では、お茶だけでなく、紅茶の商品の開発も行っています。さらに、イベントスペースでも直接販売を行っています。

新たに紅茶製品を開発

 これまでお茶のみを製造してきましたが、新たに紅茶を開発しました。

北條さん
「水出しのイチゴの紅茶です」 三山賀子アナウンサー
「イチゴの香り、ちょっとほんのりしますね、いただきます。すっきりですね。苦味が全然ないです」 消費者に直接、茶葉の魅力を

 数年前から、デパートやオンラインサイトでの販売も展開し、消費者に直接、茶葉の魅力を伝えています。

北條さん
「紅茶をメインにすることによって、その同じ茶葉から作られている緑茶も紹介できるというふうに販売することができているので。もっとたくさんの方にお茶の魅力を伝えていきたいと思っている」

(「グッド!モーニング」2024年5月29日放送分より)

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