水道管の漏水事故が各地で相次いでいます。5月21日、神戸市長田区の路上で地中から水が噴き出すトラブルがありました。この影響で周辺の住宅約20軒が一時断水。水道管に取り付けていた消火栓のボルトが腐食し水圧に耐えられなくなったことが原因とみられています。

 5月2日には京都市で水道管が破裂。去年9月には大阪府箕面市でも、水道管に亀裂が入り水があふれ出る事故がありました。こうした事態に専門家は次のように話します。

 (近畿大学 浦上拓也教授)「高度経済成長期に整備された水道管が、いよいよ老朽化している。残念ながら、投資の先送り、老朽管を放置してきたツケが徐々にあらわれてきているのかなと思います。(Q今、水道料金を上げないとツケはさらに未来に?)日本全国どの自治体でも水道料金を上げなければ、現状の費用もまかないきれない。更新や耐震化を加速させるならその分費用がかかってきますので、料金の上げ幅はさらに大きくなっていきます」

 すでに水道料金の値上げを決断した自治体もあります。兵庫県宝塚市は今年4月から段階的に平均19%の値上げを決めました。

 (宝塚市上下水道局経営管理部 原良輔課長)「(Q宝塚市の水道事業の経営状況は?)(1立方メートルを)作る価格は約180円で、収入は150円。ようは作れば作るほど赤字。耐震化であったり管路の更新というところでどうしてもお金がかかってしまいます」

 宝塚市には約800kmの水道管がはり巡らされていますが、このうち200kmで耐震化や取り換えが必要だといいます。さらに、宝塚市は南北に広く高低差も大きいため、水道水をポンプでくみ上げるなどの施設の維持や、山間部の住宅地まで水道管をつなぐなどコストも高くなりがちだと話します。

 (宝塚市上下水道局経営管理部 原良輔課長)「これまでは人口が増えてきて(水道管を)どんどん作っていく時代だったんですけど、人口はこれから減少する。近隣の市町と連携しながら広域というかたちで水道という市民のライフラインを守っていかなければいけないと我々は考えています」

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