きらやか銀行を傘下に持つじもとホールディングスが、「事実上、国の管理下」に入ることがわかった。6月以降、議決権の63%を国が握ることになるが、きらやか銀行から資金を借りている個人や企業に大きな影響はないとしている。

仙台市を拠点とするじもとホールディングスは、傘下のきらやか銀行の大幅な経営悪化を受け、5月に発表した昨年度の決算で、2年連続の連結純損失に陥った。

じもとホールディングスは、きらやか銀行が受けた180億円の公的資金の注入に伴い、国に大量の「優先株」を発行している。
「優先株」は、「配当を優先して受け取れる代わりに議決権がない」株式だが、配当がない場合は「議決権」が発生する。

じもとホールディングスが経営悪化の影響により、6月下旬の株主総会での配当の見送りを決めたことで、国が「議決権」の63%を握る見通しで、実質的に国の管理下に入ることになる。

じもとホールディングスの担当者は、「そもそも国から注入を受けた公的資金は地域経済の活性化が目的のもの。実質的に国の管理下に入ったとしても、きらやか銀行で資金を借りている個人や企業には、当面大きな影響は出ないと考えている」としている。

金融論に詳しい山形大学の山口昌樹教授は、「国が地方銀行を管理下におくのは、2003年の足利銀行など少数の例に限られる。過去の事例をみると、国が議決権を持つことで、今後、経営の継続に向けたリストラの実施や、人事面などで国が関与を強める可能性はある」と話している。

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