ドラッグストアが大きく変化しています。生鮮食品や総菜といった食品に力を入れた“スーパー化”した店舗が増えてきていて、スーパーよりも安いというケースもあるようです。顧客ターゲットも変わりつつあるドラッグストアの今を調査しました。
今年3月にリニューアルオープンした「キリン堂 交野店」(大阪・交野市)。店内には、青々としたレタスにバナナなどの果物。豚肉の大容量パックに、鮮魚コーナーにはいきのいいサワガニまで。まさにスーパーのような品ぞろえ。「キリン堂」ではおととし、食料品のラインナップに注力した新業態店舗をスタートしていて、これで関西4店舗目です。
(キリン堂ドラッグ営業 寺西廣行本部長)「食品も買えますし、医薬品であったり健康食品、あるいは化粧品も買える。もともと強みにしていたヘルス&ビューティーの部分とフードの強化ということで、利便性の追求ができているのではないかなと」
注目すべきはその値段。国産のささみが100gあたり79円で売られています。店内で加工も行うことで、低価格での提供が可能なのだといいます。
(寺西廣行本部長)「こちらが人気ナンバー1の塩バターパンでございます。焼きたてですね」
店内調理した出来立てのパンやお総菜も充実。さらに、ドラッグストアならではの強みもあるようです。
(寺西廣行本部長)「健康をテーマに取り扱っておりますので、お酢であったり油もいろいろな種類のものを取りそろえております。通常のごま油、オイルもそうですけど、えごま油であったり」
健康を意識した商品を多く取りそろえ、スーパーマーケットとの差別化を図ります。食品コーナーの導入で売り上げは1.7倍に伸びていて、客からの評判も上々です。
(客)「びっくりしました、いろいろと豊富やし。いつもの生活用品、衛生材料を買いながらおかずを買えるのは楽やなと」
(客)「パンを薬と一緒に。びっくりしましたけどね。私は大賛成」
さらに、ドラッグストアのスーパー化はほかでも。全国に1400店舗以上を構える九州発の「コスモス」。こちらでもパンや総菜を取り扱っていますが、特に人気なのが、壁一面にずらりと並んだ冷凍食品のコーナー。中でも売れ筋はプライベートブランドの冷凍食品です。野菜がたっぷり入ったヘルシーな「豆腐ハンバーグ」や、湯せんや電子レンジで簡単に調理ができる「さばのしょうが煮」は、あと一品ほしいときに便利なんだそう。
スーパー化するドラッグストア。その背景について専門家は次にように話します。
(フードコンサルタント 池田恵里さん)「高齢化によって、それと人口が減っていくということはお客さんが少なくなるということですので、男性顧客も視野に入れて食品を強化したのではないかと。(Qスーパーやコンビニはどんな気持ちでそれを見ているのでしょうか?)1km圏内の中にドラッグストアがあったら、必ず痛手をこうむるわけなんですよ。同一商圏内にドラッグストアがあるということは想定に入れないといけない」
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