首都圏に住んでいる人が、その街の「住みここち」を評価したランキングが15日に発表された。駅ごとのランキングで、トップ3は去年と変わらないなか、番組では初めて4位にランクインした片瀬江ノ島駅周辺の街に注目した。

■移住者に聞く「片瀬江ノ島駅周辺の魅力」

 神奈川県藤沢市・江の島に一番近い駅「片瀬江ノ島駅」。小田急江ノ島線以外にも、近くには江ノ島電鉄や湘南モノレールなどもあり、鎌倉や都心にもつながっている。

 片瀬地区にはおよそ2万人が住み、いくつもの商店街もある。

 片瀬江ノ島駅が15日に発表された「住みここちランキング」で4位となった。これまでは集計対象となっていなかったが、今年は調査に必要な回答数が増え、ランキングの対象となった。

都内から去年移住した人
「(Q.住んでみて環境はいかがですか?)公園や海など散歩する所がたくさんあるので、子育てにはいいかなと思います」

 住んだ人が「住みここちがいい」と感じる街・片瀬江ノ島駅周辺の魅力はどこにあるのか。

 半年前、神奈川県大和市から移住してきた鎌倉市のレストランで働く渡邊莉功さん(25)は、「カフェや飲食店に入った時に、お店の人と会話をすることが結構多いんですね。東京よりも頻度的には多い。こっちの方が。そういうコミュニケーションを取って、食材について知ることができる、街について知ることができるというのが自分の感覚にマッチしているのかな」と話す。

 田中亮さん(35)は結婚を機に、自然のあるこの場所に3年前に都内から移住し、その生活をSNSで発信している。

田中さん
「ここでよく夕日と富士山と海、江の島を見て気持ちを浄化させている。ここがお気に入りのポイントです」

 移住直後から、江の島周辺の魅力を投稿。すると、投稿している自分自身がこの街の魅力にどんどん気付いていったという。

田中さん
「鎌倉が近かったり。歩いて5分、10分で非日常に行けるところがすごく気分転換になると思います」

 当初は移住に不安もあったというが、今はそんな気持ちは全くないという。

田中さん
「もしかしたら、1年とかで引っ越しもあるかなと思ったんですけど、今のところは永住したいなと考えているくらい気に入っています」

■移住者増える藤沢市 キーワードは「プチ田舎」

 今回、取材した片瀬江ノ島駅のある藤沢市だが、まず人口増加の推移を見ていく。

 藤沢市の人口推移はコロナ禍以降も右肩上がりに増加している。2019年時点のおよそ43万人から、今年5月時点では44万人を超え、人口が1万人以上増加している。

 総務省によると、特に2021年度の人口移動が目まぐるしく、転入者が転出者を上回る転入超過が4554人となり、全国で8番目になるなど、人口が増加し続けている。

 さらに、14歳以下の転入者が神奈川県最多の708人で全国で見ても7位となり、特にファミリー層の転入が多い傾向となっているようだ。

 実際に藤沢市は、住宅を新たに購入する際の補助や、子どもの医療費助成など、子育て世代の支援に力を入れている。

 また、藤沢市が移住先として選ばれる背景には、移住に対する考え方の変化も関係しているようだ。

 全国で移住のサポートを行っている「認定NPO法人ふるさと回帰支援センター副事務局長」の稲垣文彦さんは、キーワードは「プチ田舎」だという。

 稲垣さんは「かつての移住は、引退後に田舎暮らしを楽しむのが主流だったが、コロナ禍でテレワークが一般化し、首都圏にも出勤できる程度の田舎『プチ田舎』に移住しようという若い世代が多くなっている」という。

 また、「コロナ禍に学生や新社会人だった若者の中には地域の人たちと交流したいと、人間関係が希薄と言われる都市部から、地方都市に移住する人たちも多い」としている。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年5月16日放送分より)

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